金継に挑戦<導入編>

金継に挑戦<導入編>

金継ぎ(きんつぎ)とは

金継ぎとは、陶磁器に出来てしまったヒビ割れや欠けと言った破損部分に漆を塗って接着し、金属粉をつけて修復する技法のことを言います。
別名で金繕い(きんつくろい)と表現する場合もあります。
大切に使っていた陶磁器が割れてしまったり、欠けてしまうことはよくあると思います。
そんな時、捨てること無く自分で治すことが出来たら、さらに愛着が湧きますよね。
少しでも長く陶磁器を使って頂くためにも、初心者から出来る金継ぎを紹介して行きたいと思います。

金継ぎを行う手順

本来の金継ぎには大きく分けて5つの工程があります。
1「破片の接着」
漆のみでは接着力が弱いため、小麦粉を漆と水で練ったものを使い、接着硬化させます。
2「欠けの埋め合わせ」
漆を厚塗りしていくと、乾きが遅く表面に凹凸が出来てしまうため、米粒、刻苧(こくそ)綿、木粉を混ぜて作った刻苧漆を使い欠けた部分を埋めていきます。
3「凸凹の埋め合わせ」
漆に砥の粉と水を混ぜ合わせた錆漆(さびうるし)を割れ部分に沿って塗っていき、乾燥後に削って平らにしていきます。
4「下地作り」
金の発色を良くするために、弁柄漆(べんがらを混ぜた漆)を割れ目に沿って塗ります。
5「金粉撒き」
素材にもよりますが、元の色が明るい場合、補修箇所が汚れて見える場合があるので、金や銀、白銀などの金属粉を撒いて磨きます。
銀粉を使って磨くことを「銀継ぎ」、白銀を使って磨くことを「白銀継ぎ」とも言います。

金継ぎをするにはどんな道具が必要なのか

金継ぎを行うには沢山の道具が必要になります。
しかし、何も分からない状況で道具を集めるのはとても難しいことですよね。
そこで、今回は自宅にあるもので簡易的に金継ぎを行う場合、どんな物を使うのか、ご紹介して行きたいと思います。
1.「必須アイテム」
アルコール、サラダ油、合成漆、カッター、筆、耐水ペーパー、粘土パテ、エボキシ接着剤、ティッシュ
2「.あると便利アイテム」
スポンジ、ゴム手袋、ハサミ、サランラップ、ゲル板、水桶
これらの道具は、あくまで簡易的な用途で使用するもので、ある程度の経験と知識も必要なため、初心者にはどうしても敷居が高くなってしまいます。
そんな時に一番のおすすめは「金継ぎ初心者セット」です。
このセットで、金継ぎを行うための道具は揃ってしまうので、初めて挑戦する方は購入しましょう。

金継ぎを実際にやってみよう

ここまでで銀継ぎがどんなものであるか、お分かり頂けたと思います。
次回は「金継ぎ初心者セット」を実際に利用して、金継ぎがどんな風に行われているのかを一緒に体験していきましょう。
ものを作ったり、直したりする工程はとても根気のいることですが、達成出来た時にはそれまでの苦労が吹っ飛んでしまうほどの達成感と愛着が湧きます。
大切にしているものだからこそ、直しながら大事に使って行きましょう。