美濃焼の歴史
日本には、昔から美しい伝統的な陶磁器がたくさんあります。
作られる産地によってさまざまな名称が付けられている陶磁器の中でも、特に人気の高いもののひとつに「美濃焼(みのやき)」があります。
岐阜県の東濃地方で作られている美濃焼は、1000年以上もの歴史を受け継ぐ由緒のある焼き物です。
美濃地方では、平安時代の昔から「土師器」「須恵器」と呼ばれる陶磁器が焼かれていました。
室町時代になると大窯がしつらえられるようになり、灰釉や鉄釉の生産量も増します。
その後、灰釉に長石を加えた「灰志野」や、長石だけを使用した「志野」などが生産されるようになります。
現在では、日本の陶磁器生産量の約50%を美濃焼が占めています。
美濃焼の魅力
美濃焼の魅力は、何と言っても種類が多様なことにあります。
一つの様式を美濃焼と呼ぶのではなくて、15種類の美濃焼が伝統工芸品に指定されています。
中でも代表的な「織部」は、千利休の茶道と共に発展した焼き物で、「天正黒・引き出し黒」とも呼ばれています。
千利休の弟子で、大名茶人として名高い古田織部が指導して誕生したことから、織部焼の名前が付けられています。
幾何学的な模様と個性的な形、緑釉の深い色が織部の大きな魅力で、同じ織部でも「黒織部」「青織部」「総織部」「志野織部」「唐津織部」など11の種類があります。
白地を基調とした志野も美しい焼き物で、穴がぽつぽつと開いた部分の緋色と白の色合いの絶妙なバランスが珍重されています。
志野も種類が多く、「無地志野」の他に「絵志野」「紅志野」「鼠志野」などの種類があります。
もうひとつ、温かみのある黄色が人気なのが「黃瀬戸」で、「ぐいのみ手」「あやめ手」「菊皿手」に分類されており、それぞれに特徴があります。
おすすめの器
美濃焼では、織部や志野、黃瀬戸の他に天目や青磁など、15種類の品目が経済産業大臣から伝統工芸品としての指定を受けています。
ですから、購入する際にはどの品目に該当するのかを確認することをおすすめします。
港区赤坂にある伝統工芸青山スクエアでは、よりすぐりの美濃焼の器を入手することができます。
美濃焼にはマグカップや小皿、そば皿など、ありとあらゆるアイテムが揃っていますので、同じ品目の中から少しずつ買い集めるという楽しみもあります。
中には電子レンジや食洗機が使える美濃焼の器もありますので、日常使いにどんどん活用したいものです。
美濃焼は、煮物や焼き魚などといった和食はもちろんのこと、洋食やデザートを盛り付けても映えるという特長があります。
1枚使いまわせるサイズの良い美濃焼のお皿を買えば他の食器を減らせますので、日本を代表する陶磁器・美濃焼を食卓に取り入れて、豊かな生活をしてみませんか。